特定非営利活動法人浜松NPOネットワークセンター

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2010年4月21日掲載


第3回 のびゆく多文化な若者たち

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エヌポケットはその抱える事業の性質から、多様であることを学ぶ格好の場であり、地域の中で子ども達が育つもうひとつの学校として、多文化を背景とする多くの若者たちとの出会いの場所になりました。
数年前、日本語を母語としない子どもたちが、浜松江之島高校美術部と一緒になって自分たちが乗り越えてきた困難と希望を大きな壁画(ミューラル)に描きました。その思いを社会に届けようと静岡文化芸術大学の一室を借り、一般市民も参加しながら大壁画の色塗りを楽しむこともしました。
 そんな最中に交わされたおしゃべりで日本の若者たちは、なぜ彼らのひいおじいさんやおじいさん世代がブラジルやペルーに移民したのか知ることになりました。
 沖縄出身のひいおじいさんが、新婚旅行でペルーを訪れたのに第一次世界大戦が始まって帰国できなくなってしまった話。それなのに、世代を経て帰国した娘たちは沖縄戦でみんな亡くなってしまった話。銀座で開いていたレストランが関東大震災でつぶれてしまい、ブラジルに夢をかけた話などなど。目の色や髪の毛の色が違う若者たちのルーツのあちこちに日本の歴史に翻弄された人々の姿が浮かび上がりました。
 日本語を母語としない若者たちが、今度は日本でがんばって生きています。一度日本の中学校を出て働いたけれど、やっぱりもっと勉強したいと言って定時制高校に入り直した子どもたちもいます。
 彼らが人を信頼して自信をもって生きていくことができますように。社会が彼らの可能性を信じ、ゆっくり見守ってくれますように。私たちは心からそう願いながら、子どもたちの夢を未来につなげるために活動を続けています。