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静岡県ジョブコーチ派遣事業2012

1.静岡県ジョブコーチ派遣事業報告

平成24年度のジョブコーチ派遣事業は、実施期間は平成24年5月2日から平成25年3月29日まで、支援対象者数は244人、派遣数については2,883人日となった。

<本年度の特徴>

1)障害別支援対象者

身体障害が18名、知的障害が130名、精神障害50名、発達障害30名、高次脳機能障害7名、重複障害9名だった。支援回数の平均値としては重複障害が18.1回、発達障害と高次脳機能障害が15回、精神障害が12回、知的障害が11回、身体障害が6回であった。全体の平均支援回数は11.8回、1回・2回のみの支援が66件であった。

また、事業主から個々の対象者支援ではなく、障害者雇用全般へのアドバイスを求められるケースが昨年に引き続きあった。全店舗における職務の切り出しやマッチング、従業員への面談実施等についての相談、これから障害者雇用を始めようとする事業主からの相談などである。本事業業務外の案件について、これまではジョブコーチがボランティアでおこなってきたが、今年度は新規に起きた「障害者雇用アドバイザー派遣事業」において、「しずおか障害者就労支援ネットワーク」のメンバーが、ジョブコーチと連携をとって行っている。

2.ジョブコーチスキルアップ研修報告

静岡県ジョブコーチに対する期待は年々高まり、依頼される支援の内容はより複雑な課題をかかえるようになっている。このような状況において、県内どのジョブコーチが担当しても一定のレベル以上で支援を提供できるよう、各ジョブコーチの基本的技能の底上げが求められる。

浜松NPOネットワークセンターと拠点代表者との間で、現在、ジョブコーチに不足していると思われるスキル、今後必要となるスキルを検討して、スキルアップ研修を企画、開催した。

今年度はテーマを以下の3つに分けて行った。

障害特性と職業的課題 発達障害・精神障害・高次脳機能障害

企業から学ぶ障害者雇用の取り組みと就労支援のスキル

静岡県ジョブコーチの活動についてと今後の課題・提案など

4.その他の関連事業

本委託事業とは別に今年度「しずおか障害者就労支援ネットワーク」が取り組んだ活動として以下のものがあげられる。

1)講演及び会議に関する活動

例年どおり、個々の支援と平行して、障害者職業センターの行う講演会、障害者就職面接会、特別支援学校主催の就業促進協議会、障害者就業・生活支援センターのほか、福祉施設などが行う会議やセミナーなどへ積極的に参加して、障害のある人の就労支援にかかわる関係機関との連携を深めるよう努めた。

また、研修会・セミナー等の講師として障害者雇用に係る講義や、静岡県ジョブコーチの活動の紹介を行っている。

2)静岡県ジョブコーチ養成セミナー2012

静岡県ジョブコーチの養成に関しては、今年度も浜松NPOネットワークセンターの自主事業として6月から7月にかけ4日間、三島市で開催した。公開講座を含め90名が受講し、各障害特性と職業的課題、ジョブコーチ支援の方法、静岡県ジョブコーチ制度や関係機関との連携の取り方などを、それぞれの専門分野の講師から学んだ。

全講座を受講した者は33名、全課程を修了して拠点に所属し、ジョブコーチとなるべく実習を開始した者は5名であった。そのうち2名がすでに活動を開始している。

3)ジョブコーチ養成事業

3年目となる静岡県の地域人材育成プラン事業を活用し、浜松NPOネットワークセンターにおいて9名の緊急雇用スタッフによる「ジョブコーチ養成事業」を行った。県内外の研修と障害者施設実習、県ジョブコーチの実際の支援現場における実習を組み合わせた充実したプログラムとすることができた。

事業終了後は静岡県ジョブコーチとして登録し活動を始めるもののほか、障害者の就労に関わる福祉施設などでそれぞれ研修を生かした職につき活躍している。

4)障害者雇用アドバイザー派遣事業

ジョブコーチ支援活動をする中で、これから障害者雇用を始めようとする事業主から障害者雇用への具体的アドバイスを求められるケースがあったが、ジョブコーチ派遣事業の業務では行うことができなかった。昨年度、障害者雇用を進めていくためには、こうした活動が必要であると事業提案を行い、今年度事業化された。東部と西部において「しずおか障害者就労支援ネットワーク」のジョブコーチ6名がアウトリーチ型のアドバイザーとして障害者への接し方、適切な職務、雇用管理、雇用へのステップなどについて助言を行った。


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しずおか障害者就労支援ネットワーク「静岡県ジョブコーチよりこんにちは」