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2018

はままつ子どもの学び支援&セーフティネット強化事業2018

浜松市内に経済的困難を抱える家庭の子どものための学習支援教室が増えましたが、交通の便や不登校で教室に通えない子もいるため、アウトリーチ型で対応しました。
また、障害や不登校、言語文化など重複困難を抱える子どもに適切に対応できる人材が少なく、支援のニーズに応えきれていないため、子どもに寄り添い、支える人材の育成・研修を行い、その人材のネットワーク化をはかることで、地域のセーフティネットを強化しました。
(公益財団法人ベネッセこども基金 経済的困難を抱える子どもたちの学び支援活動助成)

事業の内容

(1)アウトリーチ型学習支援

外国ルーツ、不登校など多様な子どもたちのニーズに応え、週1~2回訪問して、学習意欲や自己肯定感を育む教科学習や日本語教育、お菓子づくりなどをマンツーマン(一部、兄弟姉妹あり)で行った。また、講師とコーディネーターで講師会を開催し、子どもの様子やその対応策など、課題やノウハウを共有した。

対象:11家族15名(小学生 6、中学生 8、高校生 1)、計478回 684時間 
講師6名で、教科学習、日本語、料理、ボードゲーム、生活支援などを行った。

(2)支援者ネットワーク会議をコアとしたセーフティネットの強化

委員会を年6回開催し、各団体の活動報告、課題の共有、事業評価、研修の企画協力などを図った。

構成団体:浜松市社会福祉協議会、(特)サステナブルネット、子ども育ちレスキューネット、基礎屋、浜松市スクールソーシャルワーカー、新津地区民生委員、浜松市生活自立相談支援センターつながり、地域若者サポートステーションかけがわ、(特)POPOLO

(3)子どもを支える人材の育成・研修

研修会「困難を抱える子どもの学習支援を考える」
日時:2019/1/29(火) 場所:あいホール 参加者:11名
講師:内山春美さん(浜松カウンセリングセンター)

研修会の共催:(一社)みらいTALKのスキルアップ研修2回、講演会2回

シンポジウム「ほっとけない!子どもの貧困2019」
基調講演は子どもの貧困の現状と対策、施策を紹介。全体会は浜松市の施策紹介と、本事業の取り組みを紹介。分科会は各テーマで実践者の事例報告とディスカッションを行った。

日時:2019/3/3(日)10時~16時半 
場所:アクトシティコングレス・研修センター、参加費 無料  
参加者:午前 50名、午後 64名、スタッフ 10名 計89名

<基調講演>「子どもの貧困 実態と課題~「貧」対策と「困」対策~」
小河光治さん((公財)あすのば) → レポート

<全体会> 浜松市、N-Pocketの取り組み

<分科会>
A「学習支援」 参加者22名 → レポート
近田由紀子さん(文科省 外国人児童生徒等教育支援プロジェクトオフィサー)

B「子ども食堂」 参加者18名 → レポート
米田佐知子さん(子どもの未来サポートオフィス)、渡邊修一さん((特)サステナブルネット)

C「高校のキャリア支援&校内カフェ」 参加者19名 → レポート
石井正宏さん((特)パノラマ)、中村守孝さん(静岡県立新居高校定時制)、
池田佳寿子さん(地域若者サポートステーションかけがわ)

成果・効果

学習支援の中3、高3生は全て第一志望の学校に進学。勉強まで至らなかった不登校の子からは、「次年度も同じ人に来てほしい」と要請があった。困難ケースは学校教員やSSWと講師とケース会議を開き、対策を検討した。
委員会は、毎回終了後に各団体間の相談が長引くほど密な連携が構築された。
シンポジウムは実践者をつなぎ、先進事例に学ぶ機会となり、講師から「議論の質が高い」と評価をいただいた。委員会で見えてきた複数の支援者が入る場合のコーディネート、小中→高校への支援のリレー、制度が使いづらいといった課題も共有した。

今後の課題と展望

学習支援で学習障害や発達障害が多く見られるので、特性や配慮点、支援方法について、関係者、専門家と情報共有し、支援ノウハウを蓄積する。定時制高校や若者支援とも連携し、セーフティネットの強化を図っていく。
ネットワーキング機能は、市の学習支援事業でコーディネーターを務める浜松市社協に引き継いでいく。