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レッドリボン HIV/エイズ予防啓発

協働の定義としてよく言われる、異なる立場の組織が主体的に関わる、得意分野を活かして共通のゴールに向かう、互いに対等でWIN-WINの関係にある、の他、さらに継続した公益的な活動を評価して、浜松市内NPO法人が行う協働事例を取り上げました。

NPO法人 魅惑的倶楽部

活動概要

オートレース場で、レース開催日に、来場者に向けてHIV/エイズ予防啓発活動を展開している。


はじまり

<背景・地域課題・関係者の想い>

浜松市保健所では、HIV/エイズ予防啓発として、駅前で関連グッズを配布するなど広報活動に務めていたが、テーマがテーマゆえに頒布ははかばかしくなかった。また、年齢別の罹患率から見て、最も予防を呼びかけたい40代以上の男性に直接アプローチできるルートもなかなか開けなかった。
浜松オートレース場にはレースのたびに数千人の観客が足を運び、その大部分が男性であり、場内に半日以上滞在しているが、観戦以外には時間をもてあまし気味である。
 行政職員でもあったNPOのメンバーが、偶々オートレース場に転勤になり、両事業の内情を知ることによって、両者をつないだら一石二鳥だとひらめいた。それぞれの関係者に協力を打診し、レッドリボン・プロジェクトが始まった。

<協働のパターン>

・経験値: 複数の関係者に事業に関連する実績があった
・関係性: その他
・事業費等:助成、その他(物品提供)

<パートナーと役割>

  • 魅惑的倶楽部:企画運営、参加者手配、イベント開催
  • エイズ予防財団:冊子・啓発用グッズ提供
  • オートレース場・選手会:スペース提供、広報協力、募金協力

<協働事業の開始時期>

2004年


変遷と成果

●ターゲットを定めて

 行政からポスターやパンフレットの提供を受け、エイズ予防財団から冊子、ティッシュ、避妊具など啓発グッズを取り寄せ、オートレース場内にブースを設けて、来場者に呼びかけを行った。エイズ一色では近寄りがたいので、血圧を測るコーナーも設け、健康診断のように工夫して集客を図った。
おもしろいことに、足を止めたほとんどの人が説明に耳を傾け、一連の啓発グッズを受け取って行った。啓発対象としてドンピシャリの層である。外れ車券は捨てられていても、冊子は1冊も捨てられていなかったという。

●広がる 協力、支援の輪

 手ごたえを感じて、翌年はさらに選手会を巻き込むことにした。当時、浜松市のオートレース場は、財政難の面から廃止案が浮上していた。市民の応援を得るために選手会も何らかの手を打たねばという空気があり、試行錯誤の末、「レッドリボンカップ」という予防啓発を前面に掲げた冠レースの開催が決まり、認知度を一気に上げることに成功した。
レース中は外部との接触が許されない選手たちは、ロッカールーム内で募金活動をして、全額財団に寄付している。開会式では、エイズ財団の代表自らが挨拶をして主旨を伝え、プロジェクトを盛りあげた。
現在は、全選手が右肩に「私はHIV、エイズを差別しません」という意思表示を意味する赤いリボンをつけてレースに臨んでいる。財団の仲介によって、女性タレントが謝礼抜きで来訪し、啓発に一役買って、啓発グッズの売り上げや募金の呼び掛けに貢献している。また、専用のポスターをつくり、前年優勝の選手が紙面を飾ることが定着し、レースの模様は全国に配信されている。
財源は補助金でまかなったり、関連事業から補填したりしており、身体を動かす人間は一律に無報酬である。


特色

●つなぎの妙

予防啓発活動を行う財団関係者は、多数の対象者を前に目を丸くしたという。来場者は互いに面識のない間柄で、多くは一人で個人の時間を楽しみに来ているから、見栄も照れもない。短い期間で効率良く啓発プロジェクトが進行したのは、関係機関の内部事情や課題を把握している人物が双方をうまく結びつけた功績が大きい。

●WIN-WINの関係構築

NPOを核として、全体がバランスよく、それぞれの役割を果たしている。全員がボランタリーな関わりであるから、それぞれの言動が刺激となり励みとなって、活動を支えている。