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ザザシティ浜松西部パレット見直し問題

NPO支援センターが庁舎内に移転!?

静岡県が、公設民営のNPO支援センターである西部パレットの移転縮小案を提示したのは県と利用者連絡会が協議をはじめて3回目の会議を開いた2010年4月のこと。移転先は、浜松市に置かれた県総合庁舎の1階、広さは会議室も消えた面積1/3以下の規模でした。

これは、2009年、NPO支援センター運営事業が仕分けの対象となり
1) NPO支援センターが14の市町に設置されているので県と市町の役割分担を考えるべき
2) 駅前の一等地になくてもセンターの機能が果たせるはずだからコストの削減をはかるべき
という理由で「要改善」という結果をうけての動きだったのです。


黙っていてはいけない、対案を出さねば!

そこで、6月の利用者連絡会全体会で、幹事会から「移転せず、縮小のみ」を対案として発表。残念ながら、「もう移転は決まったのでしょ」とか「どうせ県が決めることだもの、変えられないよ」などの声がNPO自身から聞こえてきたため、対案を明確に出すことにしたのです。

そもそもNPO活動は、市民から立ち上がってくるものです。市民活動も行政と協働することもありますが、NPO支援センターが行政の建物の中に入ることには大きな違和感をもちますし、実際、活動にとっても大きなデメリットを生じます。例えば、行政の施設に入りにくい事情を抱えた人の支援が困難になります。NPOは民として、行政にできない公的サービスを提供しています。それがNPOセクターの大きな役割になっています。そしてそのためにも、行政べったりな環境が用意されることは避けなければなりません。

さて、私たちが総合庁舎への移転を拒否する理由は他にもあります。西部パレットは人が行き交う街中の複合施設の中にあることで、多様な人々が自然と交流できる「心のユニバーサルデザイン」を推進しているからです。西部パレットが置かれたザザシティ中央館5階には障害のある人や若者、母親のための就労支援施設があり、自然と、国籍、年齢、障害のあるなしに関わらず、様々な人々が互いに出会うことになるのです。

中央館オープン当初、5階にはたくさんの観葉植物と背の低い長いすがあちこちに置かれていました。同じ階にある障害者マルチメディア情報センター(MMC)のスタッフは、それが特に視覚障害のある人たちの移動の妨げになることを予測し、配置の工夫を訴えましたが、なかなか改善されませんでした。しかし、白杖を持った人、盲導犬を連れた人が多く利用するようになり、何がバリアになっているのか5階を管理している人たちも気づき始め、次第に安全でバリアの少ない、人によるサポートが行われるあたたかな施設に変わっていったのです。

また、サービスを受けることが多かった障害のある人々がサービス提供者として西部パレットを拠点とした共助活動も始めています。それが可能になったのは、パレットに通うための自助努力と、ユニバーサルデザインに配慮されたMMCと市民活動の場・西部パレットという公助を得たからです。
まさに環境が整うことによってノーマライゼーションの具現化が起こりえたのです。これこそ、私たちが目指している社会ではありませんか。そうした社会づくりの仕組みがすでに西部パレットにあるということになりませんか。


皆で考えよう、西部パレットの価値

N-Pocketは自前の事務所をもった民設民営の中間支援組織ですが、駅前に極上のNPO活動拠点が設置できたのは公設だからであって、このことは市民活動を拡げる上で意味のあることだと考えています。
2010年8月29日には、その意味について、そして西部パレットが生み出したもの、これから生み出される価値について、多くの人達に問う西部パレットの今後を考える県民会議を行いました。

■9月8日づけで県知事に県民会議の報告を兼ねた意見書を提出しました

会議室の壁を取り払って開かれた県民会議

会議室の壁を取り払って開かれた県民会議

8月29日に開かれた「西部パレットの今後を考える県民会議」では、多くの参加者が現状維持を支持しました。利用者連絡会で出た最終意見とは違っていますが、どのような経緯があったあのかその報告と意見表明を兼ねた意見書を知事に提出することにしました。

意見書:平成23年度以降の静岡県西部地域交流プラザのあり方に係る「利用者連絡会議」及び「西部パレットの今後を考える県民会議」の結果について
県の支援で育った市民文化に未来を!!

■11月1日、川勝県知事を訪問。7167筆に及ぶ署名を届けてきました

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利用者連絡会は、現在地での西部パレット存続を願う私たちの気持ちを直接、川勝知事に届けたいと、9月初めに川勝知事との面会を申し込んでいましたが、2か月たった11月1日に7167筆(団体141、個人6878)及び署名者のメッセージがついた148のネット署名の束を知事に手渡すことができました。

■まずは、2年間(2011年度、’12年度)の現状維持の回答を得ました!

11月30日、静岡県から西部パレットの今後についての回答をいただきました。2年間現状維持という結論です。不安は続きますが、まずは大歓迎です!

現在西部パレットを使って展開されている素晴らしい活動の意義・価値についてもっと多くの人々に理解していただく2年間を与えられたと考えています。私たちがこうなったらいいなと願う社会づくりの芽が西部パレットで吹き始めている姿をしって欲しいからです。
「西部、東部のパレットでいずれも市内団体の利用が3割を超している現状があるので、広域活動団体に必要な活動場所を提供する県施設と、市の類似施設との機能分担が必要」と県は判断しているようです。そのため、この2年間、協議会を設け、浜松市にある同様の施設の使い勝手も含めた話し合いを指定管理者、利用団体、関係諸機関、県との間ですすめていきたいそうです。

新しい公共の担い手として多様な活動が期待されています。行政も企業も、市民も願うのは幸せな社会づくりであることに間違いはありませんが、それぞれの役割が違います。それぞれの役割分担をどう果たしていくべきか、確かに丁寧な意見交換をしながら、互いに考え、行動することが大切だと思います。

*その後のパレット問題
  2011年6月から2012年8月にかけて、西部パレット利用者連絡会や周辺市町のNPO担当者などによる、県が議長、副議長を担う「地域交流プラザのあり方検討会」が6回開かれました。最終的には、議会に委ねられますが、県総合庁舎への縮小移転、ということでしょう。西部パレット内に設置された障害福祉課担当の静岡県西部障害者マルチメディア情報センターには、特にイメージマップが出来上がっている視覚に障害のある人に配慮して、ザザシティ中央館4階への移転が検討されています(2012年10月現在)