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2010年6月30日 掲載

第13回 地域を愛する人たちとともに

063025

浜名湖に注ぐ新川の北に位置する町に居を構え、25年近くになります。竹林に囲まれた小高い丘にあるせいか、今頃の季節になると、はっきりとした、美しい鶯の鳴き声で朝を迎えることができます。
 その楽しみも竹林があるからこそなのですが、数年前までは、その旺盛な繁殖力で荒廃化した様相をみせており、道路に覆いかぶさるまでになってしまった竹に住民も困り果てていました。しかし、市民力あふれたシニアの方々が竹を伐採・破砕しながら整備を始められ、嵯峨野の竹林に負けない風景も出現するのではないか、と思うほど、風情ある景色が目に留まるようになりました。竹林はやはり日本人の生活と文化の中にあるものだと感じています。
 また、歴史ロマン溢れる町でもあり、近くの竹林の中には「丸山城跡」、坂の途中にある幼稚園前には江戸時代中期の「陣屋跡」、東の川縁には、弥生時代中期の「角江遺跡」など、さまざまな標柱を見つけることができます。
 しかしながら、私がこれらの標柱に気がつくことができたのは、子どもが小学校のときに使った「ふるさとかるた」がきっかけでした。当時、小学校では、地域の地名の由来や風景をもとに、絵を描き、五・七・五にあらわした子どもたち手作りのかるたを後輩たちにも引き継いで、毎年、学校や家庭で楽しむのはもちろん、かるたに登場した場所を巡る親子ウォークラリーも企画されていました。おしゃべりを楽しみながら、我が町の豊かさを知って、とても感動したことを思い出します。地域に開かれた実践的な教育が展開されていたのだと思います。
 地域を愛する人たちがたくさんいる町に住むことができて、とても幸せです。私たちも地域と一体になったNPOに、と決意して筆を擱きたいと思います。