特定非営利活動法人浜松NPOネットワークセンター

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2010年度 事業報告

【 】内は外部からの事業収入

1. NPO支援事業(中間支援組織機能強化事業)

(1)共同事務所運営

1)会議室貸し出し(会員限定)

2)事務機器貸出

コピー機、輪転機、カラーレーザープリンター、プロジェクター、ビデオ、ノートパソコンほか

3)事務局代行

4団体 参加者募集受付や電話問い合わせ窓口、郵便物等の収集・保管
・(特)浜松城北体操クラブ
・浜松環境ネットワーク
・浜松外国人医療援助会
・(特)浜松市障害者スポーツ協会

4)交流コーナー

 他団体のチラシ・ニュースレター等の展示、物品販売

(2)啓発

1)インターンシップ等の受け入れ

・オフィスCAD職業訓練 実習生2名(3年目)2010/5/13~6/12  
【(株)ITプランニング 委託 2万円】
・静岡県「若手職員民間企業体験研修」職員1名(1年目)2010/10/27~11/1
・司法修習生実習 1名 2010/10/28~11/2
・浜松学院大学「外国人支援リーダー」養成プログラム フィールドワーク 
  受講生2名 2010/11/11、3名 2011/1/17

2)NPOプレゼント講座(3年目)【静岡県労働者福祉基金協会 委託 70万円】

テーマ:NPO自らが作ったNPO法人会計基準とその活用
場所:浜松ザザシティ中央館 パレット会議室
日時:2010年7月31日、9月25日、10月30日
内容・参加者:
「NPO法人会計基準て何?」 (7/31 21名、9/25 10名)
「実践!自分の団体の会計報告を作成しなおそう」(7/31 14名、9/25 4名)
「NPO法人会計基準に則った会計報告書作成のための個別相談会」(10/30 3団体)
講師:早坂毅さん(税理士、NPO法人会計基準策定委員)
   中尾さゆりさん(NPO法人ボランティアネイバーズ、NPO法人会計基準専門委員)
<成果>
7月20日に発表されたばかりのNPO法人会計基準について、全国にさきがけてその理解と普及を目的に講座を開催。会計基準の具体的なポイントや、NPO法人における会計の位置、情報公開の意義や重要性なども伝えたかったが、参加人数は期待したものとはならなかった。開催時期が早すぎた、会計報告の重要性を意識する法人がまだ育っていないなどの原因が考えられる。
参加者にはおおむね好評で、特に現場で苦労している担当者たちからは感謝された。多くが会計基準の導入に積極的のようだった。講座終了後に相談されることもあり、開催の効果はあったと評価している。
企画内容については、市民から理解と支援が得られやすい法人になるためのNPOの本質にかかわる重要な要素になるので、中間支援組織として今後も、啓発や学びあいをしながら地域のNPO法人の質の向上に力を注ぎたい。

3)環境NPOの基盤強化&ネットワーク構築事業

【NPO法人 地域の未来・志援センター委託10万円】【はままつ夢基金 助成10万円】
1.ヒアリング調査(9月~2月)
浜松市内の環境系グループに組織・実績・財務状況についてヒアリングを行い、47団体から回答を得て活動の実態や組織運営の課題を分析した。
2.環境NPOのためのパワーアップ助成金セミナー開催
主催:浜松NPOネットワークセンター、地域の未来・志援センター、セブン-イレブン記念財団
日時:9月23日(木・祝)13:00~16:30
場所:西部地域交流プラザパレット 参加者:25名
・タイプの異なる助成機関を招聘し、助成制度の特徴や申請のポイントを直接担当者から聞く機会を設けた。環境をテーマにした助成金60件の概要一覧を配布して、12件の募集要綱を希望持ち帰りとした。
 助成機関:TOTO水環境基金、子どもゆめ基金、セブンイレブン記念財団
 制度紹介:浜松市市民協働センター「プレゼンテーションフォーラム」
・ヒアリング調査をもとにした活動の実態について中間報告を行い、実践者をまじえて意見交換。市民活動エキスパートの百戦錬磨の体験から生まれた活動のエッセンスが披露された。
 講師:馬塚丈司さん(サンクチュアリ エヌピーオー理事長)
    萩原善之さん(地域の未来・志援センター理事長)
3.環境系NPOのための活動基盤サポートセミナー開催
主催:浜松NPOネットワークセンター
日時:2月26日(土)13:00~16:30
西部地域交流プラザパレット 参加者:4名
・浜松の約50の環境グループの奮闘振りと組織運営の課題について話題提供し、静岡市の事例と比較して「協働」の実状を振り返った。講師:守屋司子さん(しずおか環境教育研究会)
・前回のアンコールにこたえて、広域ネットワークを誇る先駆NPOの仕掛け人自らが、事業を拡大発展させてきた原動力について語った。講師:萩原善之さん(地域の未来・志援センター理事長)

<成果>
継続的な活動を支える資金調達を学ぶ機会を提供できた。セミナー参加者の4割から「たいへん役立ち満足している」、残る6割からも「ほぼ満足」という評価を得た。配布資料の中の「助成一覧表」が、申請時期や助成内容が網羅されていると好評だった。
個別に独自の活動をしてきた団体同士が顔の見える関係となり、今後、支援・協力を仰ぎたい場合には互いに連絡を取りあう関係ができた。アンケートには「交流ティータイムで話が盛り上がった。横のつながりができそう」という感想が残っている。
また、浜松周辺の環境NPOの実態や地域の課題を提示・共有できる。フルコストリカバリーの考え方をはじめとする資金調達の課題を認識できた。助成金や補助金にチャレンジし、申請書や報告書の作成経験者でも、人件費の算出について表面に現れにくいコストには考えが及ばなかったようである。そういう中で、静岡市の「総事業費の2割を運営費として計上可」という行政からの歩み寄りには羨望の声があがった。
雇用関係が発生した場合の労務管理など、将来的に事業体として動く心積もりの団体にとっては、なかなか刺激になったようだ。

4)西部パレット見直し問題(西部パレット利用者連絡会による)

静岡県の仕分け事業の対象となり、公設民営のNPO支援センターである西部パレットの移転縮小案を県が提示してきた。街中の複合施設だからこそ実現している市民活動やネットワーク活動の芽を摘んではならぬと、2009年度よりスタートした「西部パレット利用者連絡会」および「利用者連絡会幹事会」を引き続き開催し、利用者や市民の意見集約と代替案の模索を図った。
N-Pocket代表の井ノ上が利用者連絡会の2010年度会長を務め、利用者連絡会ニュースの発行や署名活動により、地域や市民にその意義を訴えた。8月29日には県民大会を開催し、123名の参加を得、「現状維持案」を県民の最大多数意見とした。
その結果を7167筆の署名とともに静岡県知事に手渡すことができた。最終的には、2011年度から2年間の時限付きで西部パレット事業の現状維持の結論を得た。2年後の事業再見直しに向けて今後検討する必要がある。

5)「東北とつながる力プロジェクト」情報提供活動

震災被災者支援のための活動として立ち上げた、「静岡県西部パレット利用者連絡会」が行う「東北とつながる力 プロジェクト」に参加する形でスタートした。県西部地域のネットワークを活用し、「東北とつながる力 プロジェクト」ブログにおいて、ボランティアしたい人・団体とボランティアを必要とする人・団体とつなげるための情報発信をしている。

(3)情報収集提供

組織立ち上げ段階の環境整備&資源サポート、法人化支援、組織運営のマネジメント、情報支援(助成金情報)など。相談は会員無料、会員以外は3000円/時間~

1)ニュースレターの発行(季刊)

 会員、関係団体など毎回約200部を送付、「キカンシネット」にウェブアップ

2)ホームページやメールによる情報発信

 会員向けのメーリングリストによる助成金やイベント情報の提供
 東北とつながる力プロジェクトブログによるボランティアに関する情報発信

3)講演会&総会

 2010年5月23日(日) 浜松市南部公民館にて
 参加者:講演会45名 総会35名
 講演会:「外国人集住都市会議から見えてくるもの」
 講師:北脇保之さん(前浜松市長、東京外国語大学教授)
「外国人集住都市会議」提唱者の北脇氏を迎えて、最新の外国人施策の状況などの話を伺った。

4)N-Pocket新年トークサロン&交流会

 2011年1月16日(日) 浜松市市民協働センターにて
 参加者:30名 
 第一部「新年トークサロン ~今、子どもの生きる世界~」
 ゲスト:川井士朗さん(NPO法人 心の相談室「ひだまり」代表)
  山野上麻衣さん(国際移住機関 駐日事務所「定住外国人の子どもの就学支援事業・虹の架け橋教室」就学支援担当)
 子どもを対象とした活動を行っている方々をゲストに迎え、現代子ども事情について情報交換をした。
 第二部「ランチ交流会」

5)取材・視察・相談

新聞社、市民団体、学校、行政等に有料(3000円/1h~)で対応。
・ビッグイッシュー取材(法人全体、多文化共生事業について) ほか

6)全国会議等への出席、連携、協力

・(財)静岡県労働者福祉基金協会「NPOパートナー委員会」 静岡
・NPO法人会計基準協議会  東京
・民間NPO支援センター・将来を展望する会(CEO会議) 東京
・西部パレット利用者連絡会 浜松
・静岡ワークライフ研究会 静岡
・東日本大震災支援全国ネットワーク 東京

(4)地域資源調査・開拓

1)NPO支援マネージャー養成研修

 【三遠南信地域社会雇用創造事業 社会的企業人材・インターンシップ事業 補助54万円】
第I期(2010年7月~9月)
公募した4名の研修生が、三遠南信地域の14のNPO法人にヒアリング調査し、NPO経営について考察した。NPOに接点のなかったメンバーがほとんどで、新鮮な感覚での活動となった。小規模経営のNPOがどのようにやりくりしているか、各団体の財務諸表も参考にしながらの分析をした。
研修の終わりには、ヒアリング対象団体や会員の交流を兼ねて分析結果の発表会をサロン形式で行った。実践経験豊富なNPO関係者と短期間でNPOを垣間見た研修生との意見交換は双方にとって相互理解のおもしろい体験であった。

(5)提言

1)浜松市、静岡県、国に委嘱された委員(2009年4月~2010年3月)

 井ノ上美津恵;静岡県生涯学習審議会、浜松市民協働センター運営委員
 木下 文恵:静岡県河川審議会、浜松市環境審議会、浜松市土地利用検査会

2.多様な人々の社会参加支援

(1)障害のある人

1)ジョブコーチ派遣事業 【静岡県経済産業部雇用推進課 委託2,268万円】

<実施概要>
・ジョブコーチ派遣業務(10年目)対象者:193名、支援回数:2,458回 
・スキルアップ研修(10年目) 企業の立場から障害者の就労支援を語る、発達障害のある人の就労の課題、障害者多数雇用企業の見学、オランダ研修報告、ケース検討会など、多方面からジョブコーチの資質の向上を図る講座を三島、富士、静岡、藤枝、浜松、県内5箇所で計10回開催。             <成果>
・ジョブコーチ派遣では、障害者の就労に関わる労働行政、福祉行政、学校、施設、事業所、家族などと連携をとりながら支援を行ない、障害のある人の雇用の促進、定着につなげることができた。
・スキルアップ講座を通じて、よりよい支援ができるようジョブコーチ各個人の資質の維持、向上ができた。
・県内において、静岡県のジョブコーチ制度・障害者の就労 について講演を行い、知識、経験を伝えることができた。
・今年度の特色として、精神面での課題を抱える対象者への長期にわたる支援を要するケースが多くみられた。また同様の課題による就労に至る前の相談も多数寄せられ、一層の専門性が求められた。これらに対応するためスーパーバイザーの活用をすすめ、全県のジョブコーチをフォローするとともに支援組織としての体制を強化した。
・3月末登録のメンバーは、県内7拠点で52名。 

2)障害者委託訓練における訓練受託機関開拓等業務 (3年目)
【静岡県産業部能力開発室 委託96.9万円】

浜松テクノカレッジが行う事業主委託訓練について、訓練を受託してもらえる事業所を開拓。併せて、事業主委託訓練中の事業所を訪問して助言した。

3)障害者職業センタージョブコーチ事業(第1号障害者職場適応援助者助成金事業)(8年目)
【独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構 28.4万円】

職業センターとの連携の下に実施するジョブコーチ支援事業(ジョブコーチ2名)
新規支援先1事業所、フォローアップ支援先1箇所 計2事業所(5名)

4)緊急雇用 静岡県地域人材育成事業「ジョブコーチ養成事業」
【静岡県経済産業部雇用推進課 委託777万円】

6月~3月に3名を雇用し、様々な外部研修、ジョブコーチ現場実習を行った。
3名全員が年度末に静岡県ジョブコーチとして登録。1名はN-Pocketのジョブコーチ事業担当として継続雇用、1名は5月スタートの浜松市パーソナルサポートセンター職員としてニート・ひきこもりの支援に当たる予定。

5)「静岡県ジョブコーチ養成セミナー2010」開催)

 
年々増加する支援の要請に応えるため、自主事業による養成セミナーを3年連続で開催。公開講座を含め延べ88名が受講し、ジョブコーチとなるべく実習を開始したものが15名、そのうち、年度末までにジョブコーチとして活動を開始したものは6名であった。

6)浜松市障害者職業能力開発事業 【浜松市障害福祉課 委託70.6万】

・浜松市障害者就労支援セミナー開催業務  
  2010年9月28日 アクトシティ浜松コングレスセンター 参加者:35社50名
・パンフレット作成業務
浜松市および近隣の特別支援学校、特別支援学級の児童・生徒、教員向けの就労啓発パンフレット3,000部を作成・配布。 
・現場見学会業務    
  実施校:静岡県立西部特別支援学校
  2011年2月22日 (株)レンティック中部 参加者:保護者・教職員他24名

7)平成22年度障害のある子どもの能力発掘・開発事業 【静岡県教育委員会】

特別支援学校に在籍し、就労を希望する生徒を対象に、その能力を開花させ活用する取り組みに協力した。学校が行う指導や支援に対し、就労に関する専門家として助言を行った。また、就労を目的とする実習の際に教員と共に支援に入り、具体的な支援方法を示した。他に、高等部一年生、二年生に対する働く意義にいての講義、保護者に対する就労へ向けた取り組みについての講話を行った。
実施校は浜松特別支援学校、静岡北特別支援学校で、「しずおか障害者就労支援ネットワーク」の浜松拠点と藤枝、静岡拠点がそれぞれ担当した。

8)他団体とのネットワーク

<参加会議等>
就労支援チーム会議・中東遠地区就業促進協議会・西遠地区就業促進協議会・発達障害者職業訓練協議会・障害者プロモート会議・知的障害者地域就労支援ネットワーク会議・浜松市障害者職業能力開発推進会議・障害者雇用連絡会議・ジョブコーチ事業推進協議会・卒業予定者移行支援会議・障害者雇用拡大交流会・障害者合同面接会(磐田・掛川/浜松)・障害者就労事業所見学説明会・浜松市中区障害者自立支援連絡会

(2)子ども(サービスラーニングによるコミュニティ支援事業

1)静岡大学教育学部付属中学校 ライフタイム支援事業(7年目)

3年生の希望者を総合的学習の時間に受け入れる浜松市内NPOに、紹介するコーディネーター役を担った。

(3)多文化共生(在住外国人との共生) 

1)「外国籍の子どもと親のためのガイダンス」開催

(1)10月18日「外国籍の子どもと親のための進学ガイダンス」(7年目)
【(独)福祉医療機構 96万円】
日時:10月3日(日)13:00~17:00  会場:浜松科学館 ホール
参加者:約120名(子ども29、保護者31、相談員9(教員7、その他2)、ボラ53)
通訳:ポ・西・タガログ・中国・ベトナム・インドネシア・英語の7言語
・学校の先生方、市教委、学習支援団体に呼びかけ、6月、9月、11月に実行委員会を3回開催。
・前半に全体説明会・後半に個別相談会の2構成。高校生4名が体験談発表。また卒業生や大学生が若者ブースをつくり、相談に応じると共に交流を図った。
・公立高校の授業料無償化に伴い、ガイドブックの内容の全面的な見直しを行い、費用や就学援助などの情報を充実させた。
<課題>
教育熱心な保護者や支援者のリピーターが多く、ポ語通訳の必要性が低くなっている。一方で、フィリピンから学齢超過で来日する子どもの急増、9年間の義務教育年齢を終えてない子、日本生まれで母語を話さない/話せない子どもなど、課題も多様化し、ガイダンスの情報提供だけでは解決できない部分も増えている。

2)「浜松外国人医療援助会」の事務局支援(11年目)【浜松外国人医療援助会 6万円+経費実費】

1.「第15回浜松外国人医療検診会」の開催
主催:浜松外国人医療援助会主催、浜松市による補助事業
日時:10月31(日)  
会場:可美公園総合支援センター
受診者:264名 ボランティア:医療関係者、通訳、学生、一般:230名
通訳:8ヶ国語(ポ・西・タガログ・英・インドネシア・ベンガル・中・ベトナム語)
内容:身体計測、血圧、尿検査、血液、胸部レントゲン、小児科、内科、婦人科、精神科カウンセリング、栄養相談、生活相談
<成果>
一昨年度、再開した検診会であったが、当日はブラジルの選挙と重なったこともあり、受診者数が思ったほど伸びなかった。2011年度の開催は延期の方向にある。

2.「外国人学校健診会」の開催(6~7月)
対象校:5校  対象児童生徒:597名
内容:検尿(全員)、心電図(1,4,7年生のみ)、内科検診(全員)
健診結果はポルトガル語(一部スペイン語)に翻訳して、学校に報告。
正常者は391名(66%)、何らかの異常を有したものが206名(34%)。重症者はいなかったが、肥満や肥満傾向が多く、食習慣の改善と体育活動の必要性が増している。

3.「栄養講座」の開催(10月、12月)
対象校:3校  対象児童生徒:82名(8~19歳)
浜松大学健康栄養学科の教員、学生などの協力によって実施。
肥満の問題、食品の種類と役割、体操などを取り入れて、約1時間で行った。

4)多文化わかもの全国交流会(2005年以来3回目)【浜松市(自治体国際化協会)151万】

日時:7月31日(土)~8月1日(日) 
場所:浜松市青少年の家
参加者:県外17名(神奈川、岐阜、大阪、兵庫ほか)、浜松18名
    県外支援者5名、カメラ2名、浜松ボランティア7名、スタッフ5名 
内容:1日目:演劇ワークショップ、自己紹介、活動紹介、フリートーク
   2日目:分科会ディスカッション、全体会
各地でわかもの自身による活動も増え、今回は大学生、社会人が中心に集まり、浜松からは高校生も参加した。日本育ちゆえのアイデンティティの悩みや国籍選択など、様々な「壁」にどう向き合っているのか、活発な意見交換が行われた。今後はわかもの自身による発信、企画運営をしていく体制をつくっていきたい。

5)~夢・希望・つなぐ~ 多文化共生わかもののしゃべり場(映像づくり)【はましん財団・浜松国際交流協会助成 25万】

日時:2月5日(土)、6日(日)、20日(日)、23日(水)、3月11日(金)
場所:西部パレット、南部公民館、浜松学院大学
参加者:高校生5名(フィリピン2、ブラジル3)、大学生2名(インドネシア、ブラジル)、大人1名(ブラジル)
サポーター:社会人5名(学院大外国人支援リーダー修了生3、国際移住機関スタッフ2)
ガイダンスや交流会に関わったわかものたちに呼びかけ、彼らのストーリーをそれぞれ2~2分半の映像にした。ペアでインタビューして話を引き出す作業では、彼らの思いやバックグラウンドを丁寧に聞く機会になった。3月6日~12日に文科省主催の不就学の子どもたち対象の映像WSがあり、その時には参加者がサポーターとして参加した。3月24日には上映会+交流会を開催した。

5)「路上演劇祭JAPAN・浜松2010」への参加・協力

多文化演劇ワークショップを4~5月に5回開催。「浜松に住む外国人労働者と研修生」をテーマに、10分ほどの劇を創作。5月22日に旧松菱百貨店前の路上で上演した。
最終的な参加者は、インドネシア3名、ペルー3名、日本13名(大学生6名、高校生1名、一般2名、スタッフ4名)。

6)定住外国人の子どもの就学支援事業 【国際移住機関 委託1982.5万】

不就学・不登校の児童生徒の学校教育への(再)適応を促進するために、学習面・生活面での支援をおこなった。実施主体は「ARACE」(2010年12月NPO法人認証)であり、2010年度に限り当センターが契約者となった。
年間で3名の日本語指導等教員、3名のバイリンガル指導員、1名のコーディネーター、1名の事務員のスタッフ構成で、不就学・不登校の子ども以外に参加可能な子どもを含めて46名のポルトガル語対象者、6名のスペイン語対象者を支援した。退室後の行き先は、21名が公立学校・ブラジル人学校への就学、2名が国内転居、2名が帰国、3名が不登校・不就学、3名がその他。
日系ブラジル人カウンセラーによる家族全体への生活支援、グループ学習を取り入れての日本語学習支援などの対応で効果があがった。

(4)ITによる社会参加

1)静岡県西部障害者マルチメディア情報センター(MMC)の管理・運営 (10年目)
【静岡県健康福祉部 委託 434.7万】

・来場者数 3,436名
・西部MMCの管理・運営 ザザシティ中央館5F、火~日曜 9:00~20:00
・西部MMCのホームページ作成・管理
・小・中学校の総合的学習の受け入れ、大学・専門学校学生の体験受け入れ
・自主企画
 - ミニ講座開催 視覚、知的、四肢ほか、様々な障害の方が利用。(各人の希望に合わせてスタッフが指導)
 - スタッフによる講座開催
    ゆめいろ絵手紙講座 7月~8月(5回)受講者4名
    視覚障害者向けサピエ講座 11月~3月 受講者4名
 - 四肢障害者向けアシスタント養成講座開催 スタッフによるボラ講座(4月~11月)
施設での講座や在宅パソコン講座講師としてのスキルアップのため、ユーザー補助を利用しての操作方法などを、パソコンボランティア研修終了生と共に勉強。
 - ボランティアネットMLの運営管理(MMC事業に参加した人々と情報共有)98名
・視覚障害者のためのパソコン環境づくり強化  
 西部MMCに視覚障害の当事者スタッフ配置(弱視) 当事者ならではの指導ができる。
・しずおかパソコンボランティアねっとによる視覚障害者向け講座開催

<成果>
開設から10年、順調に利用者が増え、ボランティアによる講座も定期的に開催されている。また、6名のスタッフがワークシェアリングしながら活動することによって、それぞれの専門性をセンター運営に生かすことが可能となっている。

2)西部MMC委員会 3回開催

構成委員:浜松市視覚障害者福祉協会、しずおかパソコンボランティアねっと西部、静岡大学情報学部情報科学科、日本作業療法士会静岡県士会、浜松自立支援センター、バーチャル工房事業コーディネーター、N-Pocket代表理事、MMC事業コーディネーター、(静岡県健康福祉部事業担当者)
それぞれの分野からの情報提供、センター運営に関してのアドバイス。

3)MMCボランティアスタッフ会議 毎月開催 スタッフ6名+事務局スタッフ

互いのスキルアップをさらに高めるための学習会を実施しながらセンター運営に関わる情報交換会を行っている。メーカーの方から新しい機器やソフトについて学ぶ。

4)西部地域障害者在宅パソコン講習(8年目)【静岡県健康福祉部 委託 56.1万】

239時間、受講者34名(視覚19名、四肢10名、聴覚2名、内部3名)、講師実働9名
インターネット電話、点字図書館からの点訳・音訳図書ダウンロード操作、ホームページ作成、音声読み上げソフトを使用しながらインターネットショッピングなどインターネット関連の希望内容が増えている。講師のスキルアップが求められる。

5)パソコンボランティア特別研修(7年目)【静岡県健康福祉部 委託 33.5万】

10/2、10/9 8回講座 受講者10人、ボランティア延べ27人
会場:ザザシティ・パレット、障害者施設
内容:障害にあわせたパソコンの設定を考える 他7講座
様々な支援機器の操作を学ぶことはもちろん、支援者と対象者の信頼関係の構築がいかに必要であるか、支援をする時の配慮するべき点を、講習を聞くのではなく、実際の場を見て、体験して習得することを目標とした。

6)障害者福祉施設内でのパソコン講座 【社会福祉協議会ふれあい基金寄付 10万】

地域活動支援センター「オルゴール」 4月~3月 22回、延べ受講者数 226人
人気のある講座で受講者が多い。パソコンの初歩から実用的なはがき作成、メールなどを内容とする。重度の身体障害者もいるため、アシスタントが一人ずつ付かなければならない人もいる。ボランティアが不足している。

7)障害者のパソコン操作をサポートする人のためのサポーターサロン(1年目)

月1回、しずおかパソコンボランティアねっとメンバーと在宅パソコン講座講師がボランティアで集まり、スキルアップのため情報を共有し勉強会を開いている。

8)バーチャル工房支援事業(ぽけっと工房)(5年目)【静岡県健康福祉部 委託 214万】

・登録就業者数21名(四肢9名、視覚4名、知的1名、内部2名、精神5名)
・受注実績61件(データ入力、テープ起こし、イラスト作成等)
・発注先は静岡県、浜松市、NPO、大学、企業、任意団体など。
<成果>
事業開始以来5年経過し、受注件数が着実に増加している。顧客の口コミによる新規発注やリピート受注が大きな要素となっている。これまでの納品物の評価が定着してきたのではないかと分析する。
また、活動内容が新聞掲載されたことにより、就業希望者の問い合わせが増え、従来の就業者の励みにもなった。就業者自身が本事業の発展に協力する場面も多くみられ、業務を通した社会参加の場として効果をあげている。

(5)環境・地域の自立

1)環境教育&総合治水「安間川 水仙10年プロジェクト」担い手育成
【浜松市東区役所 地域力向上事業市民提案による住みよい地域づくり 補助37万】

共催:安間川 水仙10年プロジェクト 実行委員会 
    (河川里親グループ6団体、与進小学校、与進中学校、流域7自治会)
協賛:静岡県浜松土木事務所、長上連合自治会
浜松市の地域課題解決のための提案事業に対する制度見直しがあり、これまでの協働(委託)から補助へ切り替わった。旧来の実行委員会では財源がないため、これまで事務局を務めてきたN-Pocketが主催として手を挙げることになった。
1.堤防への水仙の球根植え(第4回)
 4/20 案内チラシ配布 長上地区8自治会 幼/小/中学校 計8000部
 4/27 実行委員会(植栽場所・チーム編成・プログラム検討)
 5/10~11 小中学校、流域公会堂にて球根収集&仕分け 総数8000球
 5/15 第4回球根植え付け 140名参加(5チーム)
八幡橋~下天王橋間の堤防5区間 各50~100mに約6000球を植え付け
 5/21 11/20 残数2000球を弁天橋西岸に追加植え付け 30名参加
2.外来種の対処
 10/20 案内チラシ配布 長上地区7自治会 計2000部
 11/14,20,21,23 コセンダングサ引抜き実験 12/4回収 26名参加
3.水仙お花見ウォークラリー(第4回)
 12/10実行委員会(チェックポイント確認・次回植え付け手順)
 12/20案内チラシ配布 長上地区8自治会 幼/小/中学校 計6000部
 1/15第4回ウォークラリー 弁天橋~下天王橋往復 約2Km 40名参加(5チーム編成)
チェックポイント11ヶ所設置 入賞チームへの賞品は地域の特産品
4.安間川ゼミナール(対象サブリーダー候補者)
 4/18先人の水とのつきあい方・治水とこれまでの経緯 6名参加
 8/29救急処置法9名参加
 12/5植物観察 ウォークラリーの出題内容検討 7名参加

<成果>
地域から提供された球根は最多記録を更新し、最年少はベビーカーの2歳、最高齢は80代という広範な顔ぶれで分配された個数を植えきった。作業後は、治水・地域の歴史・生き物に関する紙芝居をチームごとに上演して、中学校のボランティア部を中心とする朗読が賞賛を浴びた。
10年継続の中盤の目標の1つにプロジェクトを牽引するメンバーの増員がある。参加者それぞれに充足感を味わってもらうためには、趣旨を熟知し、きめ細やかな気配りができるサブリーダーの存在が重要で、今年は担い手育成と銘打って事業を企画した。呼びかけに応じて参集した新規メンバー10余名との絆を大切にしていきたい。
懸案だった堤防植栽については、4日間 集中的に作業を行ない、堤防に繁茂する外来種を試験的に手で根から引き抜いた。おかげで目標区間から一掃され、水仙の開花時期には、それまでコセンダングサに覆い尽くされていた白い花々が水辺に映えることとなった。区間を限定したのは、初期に植えつけ見事な株に育った場所を完成形として地域に公表したかったからである。実験は功を奏し、ウォークラリー案内チラシを介して、「見本群落」として披露することができた。護岸配慮の大切さをアピールする場となることを期待している。