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新年交流会「浜松市事業棚卸し」

浜松市の事業仕分けを市民の手で実験してみました

合併で面積が6倍になった浜松市は2007年4月1日に政令市として再出発。今年の新年会では、浜松市の事業仕分けを行政自身が公開の場で行なえるよう、地方自治問題研究機構より行方久生さんをお呼びし、まずは市民の手により実験する機会を設けました。

日時 2007年1月28日(日)10:00~14:00
会場 浜松まちづくりセンター
内容 1.講演会 「行政改革推進法」における「事業仕分け」の意味するところ
講師:(財)地方自治問題研究機構 行方久生主任研究員
「事業仕分けワークショップ」
ランチタイム交流会

予算消化で事業が行なわれている

行方さんは「浜松市事業棚卸しと市民協働による行政の民主的点検活動」という演題の下、行政改革は「個々のサービスの要否」を見極める作業であり、特に声高に上がっている民営化の問題については、「行政の責任はどこにあるのか」ということも含めてしっかり市民自体が考えなければならない問題であると話しました。

また、実際には予算消化できる事業とできない事業があり、例えば100歳以上の長生き敬老金など、時には一人もいなかったために執行率ゼロという場合や、北九州で問題になった生活保護申請を窓口で受け付けない事例等、それぞれの執行率の低い原因を探すことが大切であることを例に挙げながら、各部局でもっているはずの執行率のグラフを情報公開で手にいれ、市民の目で一度みてみることを勧められました。

税金を市民はどう使ってもらいたいのか

市民は、「お金がないない」といわれっぱなしでいるのではなく、必要な事業を選び出し、不要な事業は廃止し、新たな事業を提案したいと考えます。

会の後半は、「福祉」と「教育」に関わる浜松市行政評価表を見ながら、N-Pocketと当日の参加者と双方で実際に中身を知っている事業について情報を提供しあい、評価しながら共有していく作業を行ないました。

当日会場の雰囲気・・・えっ~? ふ~む

タダで優雅な音楽を聴ける場所、としてWEBに紹介されているアクトシティ中ホールのパイプオルガンミニコンサートをご存知でしょうか。普段聴く機会が少ないパイプオルガンの音色を楽しんでもらい、気軽に中ホールへの出入りや音楽に親しめる機会の提供、という事業趣旨で浜松の文化的環境を高める施策として素敵なものです。これは年6回(20分/回)コンサートを開催し、年間640万の事業費(平成16年度)が施設を運営する財団に委託費として支払われているものです。つまり、20分の演奏に100万を越える経費がかかっていることになります。これをどう考えましょうか?

こういったWeb上に公開されている浜松市行政評価表を参加者と一緒に見ながら、自分たちが関わっている他の事業と比較しての意見交換で、事業費の濃淡と中身の濃淡が決して比例していない現実がわかってしまいました。

因みに、静岡県西部障害者マルチメディア情報センターの管理運営事業委託額460万(1日11時間、年間308日スタッフ常駐、西部の場合年間3726人利用 平成17年度実績)、浜松市ことばの教室推進事業委託額364万(放課後休校日以外、外国人児童生徒のための適応指導を行なったり個別相談を行なう 平成16年度評価表より)です。

自分たちの暮らしがどうデザインされているのか、こうしたWEB情報からでもしっかりと知ることができるとわかった新年会でした。

*政令都市となり、新しい形で情報公開がされるとのことで、9月現在、事業評価表はWEB上から消えています。