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公開質問状の議員回答に対する回答

太田川問題に関してN-Pocketが出した公開質問に対して、17名の議員の皆様から回答をいただきました。そのご回答に対し、もう一度議員の皆様にお返事を出しました。

浜松市議会議員の皆様へ

2005年1月31日
特定非営利活動法人 浜松NPOネットワークセンター 代表 山口祐子
サンクチュアリジャパン 代表 馬塚丈司
浜松環境ネットワーク 代表 岩見和顕

いよいよ新浜松市誕生の年です。議員の皆様には2月議会も控えますますご多忙の時期と存じます。このたびは「太田川受水に関する公開質問状」につきまして、さまざまな反響をいただきましたが、年末のお忙しい折にもかかわらず、ていねいにご回答いただきました皆様に心からお礼を申し上げます。

私たちは、議員の皆様は市民を代表して行政の活動をチェックし、市民のニーズを反映した政策を提案する立場におられると考えています。「行政とNPOとの協働」は、総合計画でも、たびたび言及されており、私達も既に多様な行政との協働事業を展開していますが、「議員との協働」は、地方自治の実現にとって「行政との協働」よりむしろ重要であると、認識しております。

議員の皆さまは、市民とは違って、行政から詳しく多様な情報を入手できる立場におられます。今回の件につきましては、意見広告を出したネットワーク「安全な水を子どもたちに」・グループ「太田川水未来」(以下「水ネット」)の提案に加えて、両者の情報を勘案されて、議員としての高い立場からのご判断をお示しいただければ、私たち市民もさらに賢明な判断を持てるのではないかと考え、質問させていただきました。

議員の皆様には、回答を受け取るごとにお礼を含め、直接お話させていただくことに努めましたが、中には、連絡がとれず十分対応できなかった方もおられます。申し訳ございませんでした。お話させていただいた議員の皆様からは、なぜ太田川に関わる問題に直接意見を述べていない私たちが公開質問状を出すのか、会派あてに質問して欲しかったなど、いろいろなご指摘がございました。

その点を含めて、1)私たちの立場、2)受水問題についての考え、を述べさせていただきます。

■公開質問をさせていただいた私たちの立場

  1. 「水は命に直接かかわる」重要な問題ですので、全議員の皆様にその重要性を訴え、この議題を担当される建設委員会、最終的な結論を出される本会議においても慎重に審議して戴きたいと考えました。また、太田川からの受水問題は、重要な問題だと感じている市民は、意見広告を出した「水ネット」だけではないことを伝えることが必要だと考えたからです。
  2. この問題に熱心に取り組んでこられた「水ネット」は水問題に関する「市民シンクタンク」としての役割を担っていると認識しています。現代のように多様化・複雑化する社会では、一つの団体が全ての問題を極めることは難しく、様々な立場にある専門性に特化した団体に、情報収集・分析・判断を頼ることは普通であろうかと思います。三団体は、それぞれ異なる立場で環境問題に関わってきておりますが、「水ネット」の開催する勉強会に参加するなど、水の問題について研鑽を積んでまいりました。
  3. 政令指定都市を目前に控え、市政と市民の距離が、今まで以上に遠くなることに、私たちは不安を持っています。今後、地方自治の力が問われる浜松市にとって、議員の皆さまと市民が一緒に施策を提案する可能性を想定しますと、市政全般に目配りされながら、市民を信頼し「こうなったらいいな」という市民の願いを一緒に考えようとする議員はどなたなのか、知る必要がございました。
    水問題に対するお考えのお立場如何にかかわらず、真摯にお答えくださった議員の皆さまに市民の代表として信頼と尊敬の念を持てましたことに、心から感謝しております。
  4. 議員の皆様は、行政の情報を、行政に成り代わって伝えるのではなく、市民の代表である議員の視点から見た情報として、市民にきちんとわかりやすく説明し、市民の意見を聴くことが、重要な役割の一つだと考えています。残念ながら回答なし、しらない、わからないという回答につきましては、難しい課題がいっぱいの政令都市となる浜松の今後に、正直言って不安を感じてしまいました。
  5. 公開質問状という方法ではなく、従来の「要望・陳情・請願」という方法により、議員の皆さまとの対話をするべきだとのご指摘もありました。世界的にNPOが誕生してきた歴史的な経緯は、多様化・複雑化する現代社会では、市民が選挙により代表を選んで市政に参加する「間接民主主義」の方式や、専門家に頼るだけでは十分に対応できないという時代認識のもとに、間接民主主義を補完する市民セクター(Social Sector)として、多様な分野のNPOの存在を保証し、政策的に育てられてきました。日本にNPO法が誕生したのもこの世界的潮流の中で起こったことです。
    「要望・陳情・請願」という議員の皆さまとの対話も、場面によっては十分に機能するものですが、「協働によるパートナーシップ・コラボレーション」が、あたらしい参加の方法として定着していくものと思われます。浜松NPOネットワークセンターが、昨年から行っている「議員と共有しよう、地域の課題」での「課題をもつ現場ツアー」や「ラウンドテーブル会議」の方式を、議員の皆さまのご協力のもと、さらにすすめていきたいと思います。
  6. 今回、質問させていただいた背景にはもう一つの問題意識がございます。巨額の財政赤字を抱えている日本の国、地方自治体に住む住民として、限られた資源の中で痛み分けをする覚悟を誰がどうしていくのか、新浜松市全体の中で、施策の優先順序をどうしていくのかという問題です。この点に言及された議員がおられて、安堵いたしました。
    しかし残念ながら、浜松市は、様々な立場から報告されている複数の「住みやすい都市ランク」の評価では、上位に顔を出しておりません。平均以下に評価されている指標が多く、市民として今後のことが大変気になります。政令都市になった後の公共事業をどうするのか、今回の受水問題は、その先例として重要なテーマであったと思われます。
  7. 行政は、政策立案に必要な専門的情報を学者やコンサルタント、民間企業から得ていた部分が大きいと思いますが、市民自身も、生活者として今何が必要なのか、提案できる専門性を高める必要性を痛感いたしました。今回の水ネットの役割は、その先駆的一例であったのではないでしょうか。平成11年に市議会の皆さまが県の方針に対して敢然と反論された時に、市民の側の意識が熟していなかったことを、恥ずかしく思っています。
    全国的には、会派の事務局をNPOが担当したり、地域の課題に専門的に関わっているNPOと議員が連携して政策提案するなど、多様な協働事例が目立っています。今回の三団体の共通点は、環境問題でありますが、支援費の問題、外国人の教育問題、多文化政策、障害者の就労問題などについても、引き続き、お力をお借りし、地域緒課題の解決のために多様なNPOとの協働関係を築かせていただきたいと考えております。

■受水問題について

  1. 受水という具体的な課題についてご回答を戴き、私たちが感じたことは、地球にある水の量は一定であり、限られた水の奪い合いをしている地球上の人間の姿がありますから、供給量は多いほどいいという姿勢を、十分には理解することができませんでした。21世紀は「水の時代」と言われており、地域内の水循環を保全する施策が必要だと考えておりますが、その点について、又の機会に、ご見解を聞かせていただきたく存じます。
  2. 井戸は重要なライフラインであるという認識は、全員一致しておられました。「水質の悪化に伴う井戸の廃止はありうる」ということを読み取ることができましたが、農薬等の汚れが川に直接入り込む場合と、少なくとも濾過される過程をもつ井戸水とどちらが最後に頼るべき水源であるかについては議論があると思われます。「太田川受水」の上に、深井戸4井の築造許可を県から得ているという情報を得ていますので、井戸の問題についてはもう少し情報を得る努力をいたします。
  3. 質問させていただいてからも知りたかったことは、受水するかしないかの議論の他に、水不足状態がありうるとした場合に、現在の選択肢のほかの可能性に付いて議論がおこなわれたかどうかという点です。天竜川からの受水について提案された議員がおられましたが、その時点で市民側からも大きな声をあげて、もっと深い討論がなされるべきだったと反省しています。今後は利水について論議をすすめていきたいと建設委員会で提案されていましたが、是非とも、環境用水の視点も併せて問題提起していただくことをお願いいたします。
  4. 県は「水需要の伸びの少なさ」を理由に、浜松市に井戸の築造を見なおすよう言っていますが、本当に水は足らないのでしょうか。この点については今回、具体的に質問していないのですが、水が不足しているのか余っているのかやはり納得できないままです。31年も前に決定されたことを引きずることで大きな無駄をしようとしていることに関係者の方々も気付いておられると思いますが、浜松市議会が、勇気をもって真実の判断をくだして戴きたいと願うばかりです。
  5. 太田川からの取水を許可した県会議員の方々に同主旨の質問状を、というご意見をたくさん戴きましたが、本来はもっと早くそうするべきでした。私たちもその必要性を感じていますので、その際にはぜひお知恵をお貸しくださいますようお願いいたします。

大変遅くなりましたが、ご回答のお礼とともに、私たちの立場や、ご回答に対して感じたことを書かせていただきました。
ご協力に心から感謝申し上げると共に、議員の皆様とNPOとの協働に対する私達の考え方をご理解いただきまして、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。