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「ゆきわりそう」における地域活動・就労支援

2002年6月29日(土)
講師 姥山 寛代さん(地域福祉研究会ゆきわりそう 代表)

【講義のねらい】

地域活動実践事例の紹介

1. 理念

1) 全ての枠を外す

利用の理由や時間の枠を外す。利用者の年齢・性別・障害の枠を外す←→現実に必要なこと。自らの心の枠を外すことで、よりニーズに応えることができる。
(例)子どもを預かってほしい。 → 緊急一時保護には枠組みがあり、保護者が病気であるなど条件にあえば介護保険で無料で預かってもらえる。しかし、それには枠組みがある。→ それならば有料で使えるものを作ろう。

2) 障害者を生活者としてみる

非生産人口を劣等な人としてみなさない。→ 尊厳を持つ社会の中の一員として見る。

3) 小集団で活動を進める

一つの集団は7~15名とし、連帯感、仲間意識を育てることのできる環境をつくることの実践をする。

4) 年金と公的保障で生きていけるシステムをめざす。

現在までに小さな家3,4ヶ所を作ってきた。畑を持っており、卵、野菜などを手作りしている。

2. 知的障害者をどう見るか

障害を性格として見ない事が重要。
性格ととらえると、怠け者であるというような見方もされる
障害のハンディについて理解し、障害についてのより深い知識を研究する必要がある。

3. ゆきわりそうの活動

1) 半日仕事し午後はトレーニング

基礎年金と月5万円くらいの収入があれば生活できると考えている。

2) 障害を理解した指導

障害者を8時間も緊張した状態におかず、労働する力を育てると同時に全人的である発達プログラムがあることが望ましい。

3) 第九を公演

歓喜することのできるものを、どれだけ用意できるかとの思いもあり、この歌を選んだ。声がでない、歌えない人もいる。障害者に第九を近づけるため、狭い音域でもよい第5パートを作った。海外公演にも行っている。

質疑・感想・課題など

  1. 福祉に関する制度はいろいろあるが、それぞれ枠組みが決められており、うまく機能していない面がある。そのような中で、強いリーダーシップを発揮して地域のいろいろな人の力を集めて障害者の生活全体を豊かにする活動の事例は大変勇気づけられた。