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米国のサービスラーニングの歴史と事例

サービスラーニングの歴史

米国のスーザン・ストレイトさんによるレクチャー

米国のスーザン・ストレイトさんによるレクチャー

サービスラーニングにおける重要なキーワードは「奉仕主義(voluntarism)」と「経験としての教育 (education as experience)」であり、アメリカの歴史にその源流を辿ることができます。

奉仕主義は、軍の徴兵制に替わるものとして、国家に対する市民としての奉仕期間と考えられていました。このような思想は後には、AmeriCorp(国に貢献する活動) やPeaceCorp(海外に貢献する活動)のような組織に脈々と受け継がれていきました。

さらに、教育学者であるJ.デューイによって「経験教育と子どもによるサービス」という新たな教育メソッドが紹介されました。彼はその中で、省察的思考(reflective thinking)、地域中心の教育(community centered education)、他者への福祉を目指した活動的価値(value of actions directed toward the welfare of others)の重要性に注目し、サービスラーニングの基礎を築きました。

「サービスラーニング」という言葉や概念は、南部地域教育委員会のシグモン氏とラムゼイ氏により1967年に提案されました。その後、1983年にボイヤー氏の提案により学校改革の一環として、「放課後に市民性を養うための地域貢献活動」として始めて教育現場にサービスラーニングが導入されました。このような活動の紹介を受け、徐々に全米にサービスラーニングの導入が学校現場で広まり、州によってはサービスラーニングのカリキュラム開発や財政面での支援が行われるまでに至りました。

それから約10年後、1992年にはメリーランド州では全米で初めてSLを高校の卒業単位として法制化する動きがあり、数々の州でSLの法制化や必須化が進んでいます。現在では、全米の約70%の学校でSLの授業を取り入れています。

米国の事例

■砂漠化を食い止めよう!(サンタフェ)

アメリカ南部のニューメキシコ州サンタフェ市は、国境がメキシコに隣接する非常に降雨量の少ない地域である。そこのある小学校4年生たちは学校の土砂の浸食問題にサービスラーニングとして取り組んでいた。

■フード・プロジェクト(ボストン)

有機農法により多品種の作物を生産しながら、夏休み、放課後、週末に、14歳から17歳の青少年が、農業に参加できるプログラムを企画し、農業体験の機会を提供している。

■サービスラーニング実践校とサービスラーニングを支えるNPO

“クリッシー・フィールド・センター”というサンフランシスコにある国立公園局は小学校の先生からの要望で生まれたサービスラーニングのアフタースクールプログラム(放課後や週末のプログラム)が実施されている。