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整備構想市民原案 基本指針

「河川整備構想」基本指針

2002年4月25日
安間川 河川整備構想 策定事業 コンセンサス会議
特定非営利活動法人 浜松NPOネットワークセンター

  • 安間川を地域の文化・自然資源として再生する。
  • 洪水の防止を河川整備構想の最優先事項にする。
  • 流域全体の責任で水循環の仕組みづくりに取り組む。
  • 安間川の自然生態を回復する工法を採用する。
  • 行政と住民の役割分担を明確にして協働する。

安間川をふたたび地域の文化・自然資源に

安心して安間川で遊びたい

安心して安間川で遊びたい

安間川の現状を観察した結果、安間川は、絶滅危惧種に指定された貴重植物が繁茂し、野鳥が飛び交い、何種類もの魚が泳ぎ、”湧水のある生きた川”であることが明らかになった。

また、現在40代以上の世代は、暮らしが川と共にあって川に育てられた原体験と、安間川はなくてはならない地域の重要な文化的自然資源であるという共通認識をもっている。若い世代からも、安間川を暮らしの中に取り戻したいという意見が多く、再び”安間川を地域の共有財産”にしようという原点に立つことになった。

洪水の防止を整備構想の最優先事項に

“洪水の不安と経済的損失”は、地域住民にとって耐えがたい重圧であり、この災害を回避することが河川改修の最大の目標である。”安間川を地域の共有財産”にするためには、まず安全で快適な川であることが大前提である。
洪水防止には、「河道改修・放水路・遊水地」の三つの選択肢があるが、コンセンサス会議では、多目的な用途を備えた遊水地案とすることに合意をみた。これは、巨額の投資をするのであれば、流域の文化財や自然資源と連担させて整備することが、21世紀にふさわしい持続可能な開発であるという結論に達したからである。

なお、洪水防止の目標を、予想を越える豪雨時はともかく

1.床上浸水を100%防止する

2.日常的には床下浸水は起こさせない

ことを短期目標と長期目標を掲げて実施することに合意した。

洪水防止は流域全体の責任で

流域に住む住民、企業、公共施設など、官民が一体となり、一挙に安間川に雨水を流入させないための貯留方法を採用し、この施策を流域全体に広げる努力をしなければならない。また、地下水に雨を戻す「水循環のしくみ」を、地域住民の理解と参加を得て実現することも課題である。
この構想実現のためには、住民が楽しく気軽に安間川に足を向けられる企画を継続して提供する組織の存在が不可欠である。

多自然型工法で自然生態の再生を

100年先を見越して、次の世代にも生きた川を伝える努力をすることは、住民自身の責任である。安間川の自然生態を再生する方向で、工事の材料や工法を採用し、過度な加工を行わず、安間川が自然の力を回復し、自然と共存した環境を整備することが重要である。また、ミクリから、地域全体で流域の水循環の仕組みを守ることの重要性を再認識させられた。

行政との協働と住民の役割

構想の実現には、住民自身が担う課題があり、行政には、行政の役割があることが明確になった。行政は、洪水防止の実現のために「短期目標」と「長期目標」を明確にし、その実現に向かって努力することを表明された。また、今後も、住民は何でも行政任せにするのではなく、住民の要望の強い桜並木を実現する場合には、維持管理のしくみを住民から提案して、その管理体制に見通しが立ってから桜を植える手続きを踏むなど、協働のルールづくりに取り組むことに合意した。一方行政は、積極的に情報公開し、結果を急がずに住民の判断力を信頼することの重要性を、本業務を通して体験され、今後もこの姿勢を踏襲することを明らかにされた。

市民原案ができるまで物語

  1. 市民原案ができるまで物語(1) 安間川の様子
  2. 市民原案ができるまで物語(2) 安間川を調べよう 、安間川調査隊・水門
  3. 市民原案ができるまで物語(3) 安間川に対する人々の思い(草刈り・地球ボール)
  4. 市民原案ができるまで物語(4) みんなで共有しよう、安間川の姿(説明交流会・取材劇)
  5. 市民原案ができるまで物語(5) もっと知りたい安間川の姿(市民グループの協力)
  6. 市民原案ができるまで物語(6) こんな安間川だったらいいな(説明交流会・コンセンサス会議)
  7. 市民原案ができるまで物語(7) まず安心できる川に(緊急拡幅工事・市民原案策定プロセス)

■メディア掲載

2002年5月16日付 静岡新聞「安間川整備に市民原案 洪水防止を最優先」

2002年5月16日付 中日新聞「遊水地の整備提唱 市民案を県に報告」

2002年5月16日付 毎日新聞「安間川の整備事業 住民の意見 県に報告」