特定非営利活動法人浜松NPOネットワークセンター

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2006年度 事業報告

1.中間支援組織機能

(1)共同事務所運営

1)会議室貸し出し(会員限定)

2)事務機器貸出

コピー機、輪転機、カラーレーザープリンター、プロジェクター、ビデオ、ノートパソコンほか

3)事務局代行

3団体 参加者募集受付や電話問い合わせ窓口、郵便物等の収集・保管
・(特)浜松城北体操クラブ ・浜松環境ネットワーク ・浜松外国人医療援助会

4)交流コーナー 他団体のチラシ・ニュースレター等の展示、物品販売

(2)啓発

1)インターンシップ等の受け入れ

2006/7~2007/6 市民社会創造ファンド SSCSインターンシップ 1名(2年目)
日系ペルー人大学生・山城ロベルトを受入れ、主に多文化共生事業で活動・研修を行なった。2007/6まで継続。次年度も募集予定。

2)職員の意識改革のための研修会とメールニュースの企画編集
【提案公募型協働事業 市民協働たねからみのり 浜松市】

職員の意識改革のための研修会の開催(12/7、市役所 参加:約60名)
メールニュースの企画編集 4回配信

3)NPO基盤強化研修会【内閣府委託事業、浜松市との協働】

「NPO法人の活動基盤強化に関する研修会」 10/24 浜松市消防本部にて 参加:80名
法人に求められる運用のあり方や認定NPO法人制度の活用ポイントを紹介。

(3)情報収集提供

組織立ち上げ段階の環境整備&資源サポート、法人化支援、組織運営のマネジメント、情報支援(助成金情報)など。相談は会員無料、会員以外は3000円/時間から

1)ニュースレターの発行(季刊)

 会員、関係団体など毎回約200部を送付

2)ホームページの作成・情報発信(2007年1月リニューアル)

3)N-Pocket新年交流会

 1/28 浜松市まちづくりセンター 参加者:31名
第一部「浜松市の事業の仕分け」、第二部「ランチ交流会」
政令市・浜松市の事業仕分けを行政自身が公開の場でおこなえるよう、地方自治問題研究機構より行方久生氏をお呼びし、まず市民の手により実験する機会をもうけた。

4)取材・視察・相談

新聞社、市民団体、学校、行政等に有料(3000円/1hから)で対応。

  • 朝日新聞社:5/21 公共事業について ほか

5)NPO支援センターの全国会議等への出席、連携、協力

  • 中部リコー 「ECOひいき」講師 7/6 名古屋
  • 社会教育全国研究会集会 「市町村合併とNPOの立場」講師 8/7 箱根
  • 東北大学 「社会教育主事講習会」講師 8/8 仙台
  • 全国自治体学会研究集会 「地域をつなぐNPOの力」講師 8/25 横浜
  • イギリス研修 9/9-15
  • 静岡新聞 「愛の都市訪問」審査委員会 11/15
  • 清水ネット「男女共同参加フォーラム」12/2
  • 越谷市「男女共同参加フォーラム」12/9
  • 人事院「審査官特別研修 NPOと行政の協働の果たすもの」講師 12/  東京 ほか

6)出版

「外国をルーツとする子どもと保護者のための高校進学ガイドブック 2007年静岡県版」
静岡県立高校の平成20年度高校入試情報を載せた「高校進学ガイドブック」を多言語で製作。
日本語(ふりがな付)、ポルトガル語、スペイン語、英語、タガログ語、中国語の6言語で、基本的な日本の学校のシステム、高校の種類や費用、静岡県の入試のしくみ、最新の高校リストを含めて作成・出版した。

(4)地域資源調査・開拓

1)NPOと企業との出会いの場の開催【提案公募型協働事業 市民協働たねからみのり】

企業のCSR担当者を対象としたヒアリング調査の実施 浜松市周辺31社
調査結果に基づき、報告書作成 28社
「NPO・企業 出会いのサロン」開催(1/24  まちづくりセンター 参加者約70名)

2)ケアする人のなんでも相談会【提案公募型協働事業 市民協働たねからみのり】

12/2   アンサンブル江ノ島にて
浜松市労政課・保健予防課・障害福祉課と協働で、2ヶ月にわたる課題調査活動と問題解決のための行政の横断的連携と民間の異分野専門家集団によるケース会議。

(5)提言

浜松市、静岡県、国に委嘱された委員(2006年4月~20073月)
浜松市
山口祐子: 浜松市行財政改革審議会、浜松市総合計画推進委員会、浜松市公共事業評価委員会、浜松国際交流協会理事、ハザードマップ委員会
井ノ上美津恵: 浜松市まちづくりセンター運営会議、浜松市公共建築物ユニバーサルデザイン指針策定委員会
静岡県
山口祐子: 静岡県開発審査会(都市住宅部)、静岡県福祉のまちづくり推進委員会(健康福祉部)、静岡県中山間地域直接支払い制度検討委員会(農林水産部)、静岡県港湾審議会、静岡県生涯学習審議会、静岡県国際交流協会理事
井ノ上美津恵: 静岡県社会福祉審議会障害者部会(健康福祉部)

山口祐子: 天竜川流域委員会(国土交通省)

2.多様な人々の社会参加支援

(1)障害のある人

1)障害者職場定着サポート(ジョブコーチ)(6年目)【静岡県商工労働部雇用推進室】

  • ジョブコーチ派遣件数 対象者:113名,支援件数:1793回
  • スキルアップ講座(障害者雇用制度、職業リハビリテーション、精神障害者の就労支援について等)三島、富士、静岡、浜松、県内4箇所で開催

<成果>

  • 障害者の就労に関わる労働行政、福祉行政、学校、施設、事業所、家族などと連携をとりながら支援を行ない、障害者の雇用の促進、継続につなげることができた。
  • スキルアップ講座を通じて、よりよい支援ができるようジョブコーチ各個人のスキルを磨くことができた。
  • 県内外において、静岡県のジョブコーチ制度・障害者の就労について講演を行い、知識、経験を伝えることができた。

2)職業リハビリテーション(ジョブコーチ)(4年目)【浜松市商工部労政課】

医療法人社団至空会ふらっとからのジョブコーチ派遣要請に応じる形で、ユニクロ ・松菱・日通商事・浜松市フフラワーパーク 各コースへの実習支援にジョブコーチを6名派遣した。
<成果>
高次脳機能障害、統合失調症、学習障害、肢体不自由(切断)など、対象者の障害が多岐にわたり、アセスメントに非常に時間がかかった。その他、期間、企業と対象者のニーズマッチング、開催方法にも課題が残ったため、市に対して次年度の企画に関する提案を行う。

3)障害者職業センタージョブコーチ事業(第1号障害者職場適応援助者助成金事業)(5年目)【独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構】

職業センターとの連携の下に実施するジョブコーチ支援事業(ジョブコーチ2名)
新規支援先8事業所、フォローアップ支援先6箇所 計14事業所(14名)
支援成果・・・雇用継続11名、離職者2名、離職後再就職した者1名。製造業、高齢者福祉施設、サービス業が中心(ライン内への配置、清掃業務が多い)
次年度は法人内で独自に計画を作成して支援実施する「法人単独支援」を2件程度実施したい。

4)くらしえん・しごとえん立ち上げ事業

2006年11月1日 「特定非営利活動法人くらしえん・しごとえん」法人化した。2007年4月1日、ジョブコーチ(職場適応援助者)の養成研修機関として国(厚生労働省)の指定を受けた。(全国で3番目)

(2)子どもの社会参加(サービスラーニングによるコミュニティ支援事業

1)静岡大学教育学部付属中学校 ライフタイム支援事業(3年目)【静大付属中】

浜松市内のNPOに2年生、3年生の希望者を、総合的学習の時間に受け入れるコーディネーター役を担った。5月~10月までの期間、生徒の計画立案調査にかかわり、情報提供と相談をおこなった。次年度も継続の予定。

(3)在住外国人との共生(多文化共生)

1)「外国人の子どもと保護者のための高校進学ガイダンス」開催 (3年目)【日本郵政公社】

    • 7/23 会場:浜松市福祉交流センター  参加者:約80人 浜松市教育委員会と共催

浜松市大瀬小学校、浜松市立開成中学校、県立浜松北高校、浜松市立高校が協力。
外国人高校生による3校の高校紹介、体験発表も行った。

    • 1/14 会場:静岡県西部地域交流プラザ会議室  参加者:約100人 浜松市教育委員会と共催、浜松市後援

浜松市大瀬小学校、浜松市立開成中学校、静岡県立浜松北高校、浜松海の星高校、東京外国語大学、浜松大学・学生ボランティアサークル、日本南米若者協会(AJLAN)が協力。

2)外国人のための教育個別相談会【日本郵政公社】

    • 1/14 会場:静岡県西部地域交流プラザ会議室

 

学校の生活指導、転校、高校・大学進学に関する相談
<成果>
中学卒業後の高校進学、大学進学に関わる様々な課題が明らかになった。進学希望のニーズは高く、当事者、関係者、学校からの電話相談も寄せられるようになったが、情報、制度共にまだまだ不足していることから、今後も様々な手段での情報収集・提供と、政策連携が必要であることを痛感している。

3)外国人学校の栄養講座・相談【日本郵政公社】

静岡県立浜松養護学校の栄養士が協力

  • 1/16 会場:ムンド・デ・アレグリア学校(卸本町) 参加者:約60人(小学生から高校生)
  • 1/30  会場:ピタゴラス学校(富塚町) 参加者:約50人(小学生低学年)

4)「外国人無料検診会」の事務局支援 (7年目)【浜松外国人医療援助会】

10/15 第11回「在住外国人のための無料検診会」開催(社会保険浜松病院)
424人が受診、287人のボランティアが参加
11年目を迎え、医療面での貢献のみならず、地域の学生、社会人がボランティアとして参加する社会教育の場になっている。

5)在住外国人のための就職支援セミナー【静岡県雇用推進室委託】

在住外国人が日本で安定就労できるよう、労働をテーマに、当事者に向けた支援セミナーを12/3, 12/10の2日間にわたり開催。
<成果>
健康管理、体験談、労働法制、諸問題と予防策、全体での意見交換、など全6テーマ(6講師)で開催し、日系ブラジル人・ペルー人など、2日間で合計8名(30代~70代)が参加した。主に「派遣」の就労形態における雇用保険の未加入や有給が獲得できない問題など、予想以上に酷い労働実態が明らかになった。

(4)ITによる社会参加支援

1)視覚障害者のためのPC環境づくり強化  

西部MMCに全盲スタッフ配置【高齢・障害者雇用促進機構「重度障害者介助等助成金」】

2)西部MMC委員会 4回開催

構成委員:浜松市視覚障害者福祉協会、しずおかパソコンボランティアねっと西部、静岡大学情報科学科、日本作業療法士会静岡県士会、静岡県車椅子友の会、浜松情報専門学校、西部MMC在宅講座コーディネーター、ジョブコーチ、MMC事業コーディネーター、(静岡県健康福祉部事業担当者)

3)MMCボランティアスタッフ会議

毎月開催 スタッフ10名

4)静岡県西部障害者マルチメディア情報センター(MMC)の管理・運営 (6年目)
【静岡県健康福祉部】

  • 西部MMCの管理・運営 ザザシティ中央館5F、火~日曜 9:00~20:00
  • 西部MMCのホームページ作成・管理
  • ミニ講座開催 視覚、知的、四肢ほか、様々な障害の方が利用
  • 小・中学校の総合的学習の受け入
  • ボランティアネットMLの運営管理(MMC事業に参加した人々と情報共有)

<成果>
開設から6年、順調に利用者が増えてきたが、今年度は幸いなことに数人の知的障害者が定着先を見つけたためにのべ利用者数が若干減少した。しかし利用実人数は増加しているので利用の幅は広がっているといえる。

5)静岡県障害児(者)就労支援PC講習 在宅講座(5年目)【静岡県健康福祉部】

229時間、受講者14名(視覚8名、視覚聴覚重複1名、四肢5名)、講師10名
一般業者が対応できないPC環境整備のケースが多いため、しずおかパソコンボランティアねっとと連携し、着実にニーズに応える体制ができている。

6)パソコンボランティア特別研修 (3年目)【静岡県健康福祉部】

10/29-12/24 10回連続講座 受講者10人、ボランティア延べ16人 ザザシティ・パレット 
内容:10/29~12/10 「マウスを使わないPC操作」他8講座、講師9名
12/24 「視覚障害者のPC講習サポート実践」浜松市視覚障害者福祉協会パソコンクラブ

7)バーチャル工房支援事業(ぽけっと工房)(1年目)【静岡県健康福祉部】

PCを使って行なう仕事を発注する企業と、在宅就業する障害者の間のコーディネートと就業者に必要な支援をおこなう業務。
4月~3月 登録就業者数11名、受注実績26件(Web作成、WebUDチェック、データ入力、テープ起こし等)。
多様な業務に対応できるある程度の経験が積め、就業者のスキル・プロ意識が向上した。さらに就業者の生活の質が変化し有効な事業となった。次年度も継続して委託されている。

(5)環境・地域の自立(安間川水辺再生まちづくり)(4年目)

1)雨水マス&アート活動による「水の自立都市」推進事業 【TOTO水環境基金 ~9月】

1 川を理解するための体験型調査活動の実施
夏休み水辺の体験プログラム「安間川宝探し」2回開催(魚捕り大作戦・クリーン作戦&たらい漕ぎレース)
安間川河川里親会議 3回開催

2 洪水防止のための地域レベルの治水・自然再生活動
安間川ながかみ水会議「ためタル君PJ」新規設置者対象 3回開催
「ためタル君ネットワーク会議」既存設置者・自治会対象 2回開催
手づくり雨水貯留マス「ためタル君」21個設置
水位計・蛇口の改良試作
公会堂2003年設置「ためタル君」公開補修(塗装・水位計設置・蛇口の改良)3 会場実施
ためタル君設置募集チラシ・ポスターの作成・配布・掲示

<成果>
「ためタル君」は、構想・試作1年、設置実働3年を経て、流域の4町8自治会においていよいよ100個に迫る勢い。設置希望者には必ず説明会に参加してもらうことで、事業の経緯と意図を十分に伝えることができた。また、説明会終了後に、1軒の設置現場に立ち会って作業に協力してもらう機会を設けることで、樽の構造や設置環境への理解が深まり、後日、自宅に設置する時には、様々な創意工夫を凝らした「我が家のためタル君」と呼ぶにふさわしい樽が続々誕生した。
 印象的だったのは、各戸での設置作業中に通りかかった地域の方が、何が始まったのかと足を止めると、「安間川に一気に雨水が流れこまないように家々で溜める」「地域みんなでできることをする」と、スタッフが口を開かずとも趣旨説明を皆さんがしてくださったこと。そして、最後に異口同音に「お宅もつけないか」と誘ってくださるのは有難いことだった。水位計を装備し、蛇口に改良を加えた新生「ためタル君」は、設置者の環境に対する意識に大きな影響を与えている。一連の活動を引き継ぎ発展させる地域組織の拡充が中間支援組織としての役目である。

(6)コミュニティ・アート

1)演劇ワークショップ “PUEBLO” 【日本郵政公社】

多文化の若者たちの仲間作りを目的として、ムンド・デ・アレグリア学校(ペルー人学校)の15名の生徒達に7日をかけて演劇ワークショップをおこなった。自己表現、仲間意識の育成の過程を経て、最終日(3/27)の発表会には他の在校生、外来の浜松国際交流協会、研究者等を含めた約100名の観客の前で創作演劇を披露した。